麻酔集中治療セミナー in 鴨川 2017開催報告

初夏の日差しが差す、7月1/2日の2日間をかけ、千葉県鴨川市の亀田総合病院で麻酔集中治療セミナーin鴨川2017(以下:鴨川セミナー)を開催しました。

昨年に続き、2回目となりました鴨川セミナー。今年は、関東を中心に東海・関西・中国地方から学生・初期研修・後期研修の先生方が、総勢26名集まり、麻酔・集中治療に関する講義・ハンズオンセミナーを盛大に行いました。

7月1日(1日目)
参加者の多くは、東京駅から送迎バスに乗り東京アクアラインを超え、亀田総合病院へ到着。
昼食をとったあと、セミナーの開催を待ちます。

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医療法人鉄蕉会理事長亀田隆明先生、岡山大学麻酔科蘇生科教授森松博史先生から開会の挨拶を頂いた後、早速講義の開始です。
まずは、呼吸に関する講義を岡山大学病院手術部助教の清水一好先生が行いました。
基本的な気道確保から始まり、麻酔科学会の気道確保アルゴリズムに沿って挿管困難に対応する手段までみっちり講義されました。

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続いて、岡山大学病院集中治療部助教の金澤伴幸が循環に関する講義を行いました。
血圧・心拍出量の定義や測定方法から麻酔中の循環管理法とそのモニタリング。
最後は、実際の大動脈弁狭窄症の症例を例にとり麻酔導入をモニターをシミュレーションしながら皆で考えていきました。

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小休憩を挟んだ後は、亀田総合病院麻酔科部長の小林収先生からAnesthesiologists as Expert Physicians in Perioperative Care and Beyondと題して麻酔の歴史から今後の発展に関する話をしていただき、参加者は昔の麻酔の状況を聞いてやや度肝を抜かれた部分もあったようです。

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1日目最後の講義は、岡山大学病院集中治療部助教の小坂順子先生から「憧れだった留学生活を経験して」と題して、小坂先生がいかに留学をなし得たかを実際のオーストラリアへの研究留学を元に留学準備、留学生活に分け話してくれ、参加者の中にはこの話を聞き留学に非常に興味が出てきたという方もおられました。

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講義が終わった後は、参加者で亀田総合病院見学ツアーを行いました。日本を代表する研修病院である亀田総合病院をセミナーに参加しつつ見学できるというのは非常に有益です。
病院の方々が隅々まで丁寧に案内してくださり、またいろんな場所から集まった参加者の先生方はツアー中に話をすることにより打ち解けて仲良くなったようです。

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夜は、皆で懇親会を行いました。本年は岡山大学名誉教授の森田潔先生がセミナーに参加してくださりご挨拶をいただきました。亀田総合病院の最上階で美味しい食事をたべお酒を飲みながら参加者同士の親睦を深めまた、講師の先生方と将来について語り合い、非常に楽しい懇親会となりました。会の途中では、岡山大学病院の廣井・五反田先生が芸を行い、会場を盛り上げました。

7月2日(2日目)
2日目は亀田医療大学に会場を移し、ハンズオンを中心にセミナーを進めました。ハンズオンを始める前に、朝一は岡山大学麻酔科蘇生科森松博史教授が恒例のJournal clubをしてくださり、最新の論文を用いて新しい知識を身につけました。

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引き続きハンズオンを行いました。
①中心静脈穿刺、②挿管(ラリンジアルマスク、ファイバー挿管)③ケースシナリオ(講義)の3ブースに分かれ、頭と手を動かし勉強しました。

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中心静脈穿刺ブースでは、エコーガイド下穿刺を中心に、可視化装置MillSussを用いた動脈穿刺も体験しました。挿管ブースでは挿管困難症例に対応するためのラリンジアルマスク挿入、それをガイドにした気管支鏡下挿管を体験しました。またその際、最新のシミュレーター(MIKOTO:テムザック研究所、鳥取)で実際の人体さながらの人形を用いて挿管を体験しました。ケースシナリオでは、術中に起こった致死的不整脈や予期せぬ血圧変動などを実際のモニターや映像を見ながら経験しました。

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他のセミナーで行われているハンズオンに比べ少人数・長時間のプログラムにし参加者にはより長く手を動かしいろんな機器や症例を体験していただけたと思います。

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最後は、本セミナーを支えてくださった亀田総合病院の方々、企業の皆様にお礼の挨拶をし、再び亀田理事長と森松教授に閉会の挨拶をいただいて盛会のうちに終了となりました。昨年よりも参加者も増え、また日本全国様々な地域から参加していただきました。すでに来年向けより良いセミナーにするべく指導しています。皆様のご参加をお待ちしています。

文責 金澤

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鴨川セミナー 参加者の感想

鴨川セミナーに参加して

岡山大学病院 初期研修医
五反田 倫子

 このたび、麻酔・集中治療セミナーin鴨川2017に参加させていただきました。麻酔・集中治療に興味のある方向けの内容で、1日目は講義、2日目がハンズオンといった密度の高い2日間でした。

 1日目の講義タイトルは、気道管理、循環管理、Anesthesiologist as Expert Physicians in Perioperative Care and Beyond、留学と研究であり、麻酔・集中治療および基礎研究と多岐にわたり、専門の先生方の実体験を織り交ぜてあるなど、非常にわかりやすく、興味深くかつ考えさせられることの多い充実した内容でした。気道管理は、岡山大学病院清水先生による日本麻酔科学会気道管理アルゴリズムに則った講義で、何よりも当たり前のことを当たり前に、苦労することなくできることの必要性と、ほとんど経験しないと思われる事態にも対応できるように、普段からのトレーニングの意義と重要性を感じさせられました。まずは、どんなときにも安定して質の高い挿管ができるように精進していきたいです。
循環管理の講義は、岡山大学病院金澤先生による基本のモニタリングに加え、より高度なモニタリングシステムについて実際の症例をベースにモニター上の変化と術野で起こっていることを評価していくといった内容でした。これから起こることを予想することの重要性とその際にどのような変化を起こすか知っておくこと、また予想しなかった出来事が生じた際にどう評価し、対応するべきなのかが説明されました。経験も少なく、まだまだ予想できることも少なく、どうしても一つのことにとらわれ他に目が行きづらい私にとっては、これから日々の症例で、麻酔の始まる前から想像力を働かせ、同じモニターを見ている上級医の先生方がどう考えているのかを聞き学んでいこうと思わされました。
Anesthesiologist as Expert Physicians in Perioperative Care and Beyondの講義では、麻酔の歴史とこれからについて亀田総合病院麻酔科部長小林先生に講義していただきました。モニターのない時代の麻酔方法として、術野の血色を見て呼吸管理をしていたという話があり、モニターのありがたさを感じる一方で、そこまで真剣に術野を見たことがなかったことに差を感じさせられました。留学と研究では、岡山大学病院小坂先生による医師としての人生と研究そして留学の講義であり、いつかは研究、いつかは留学と思っていた私にはエキサイティングな内容で医師としてのロールモデルとして非常に興味深く聞くことができました。
また、講義後に懇親会としてセミナー参加者や講義された先生がたと、各々の将来の話や普段聞くことのない各地域での医療の話を交換でき、とてもいい時間となりました。

 2日目は、岡山大学病院麻酔科蘇生科教授の森松先生によるJournal clubから始まりました。論文の内容ももちろんですが、それ以上に論文に親しむこと、論文を読むことの大切さを感じさせられました。その後はハンズオンセッションとなり、ファイバー挿管、micotoを使用した挿管練習、CV挿入、ミルサスによる動脈穿刺、を経験しました。最も面白かったのが、CV挿入ブースに設置されていた血管内にカメラが置いてあり、自分が挿入したワイヤーがどこをどのように通っているのか確認できるものでした。つい端を刺してしまう癖がビデオ上でもよくわかり、今後少し意識して穿刺してみようと思いました。

 セミナーを通じて、知らなかったはもちろん、知っていたが意識していなかったことが数多く発見できとてもいい機会となりまし。また、他の病院、他の地域の先生方と見聞を交わすことができ、参加することができて本当に良かったと感じています。

麻酔・集中治療セミナー in 鴨川 2017

香川県立中央病院 初期研修医
白川 拓

 このたび、上記イベントに参加させていただきました。
私は香川県立中央病院で初期研修を行っている者ですが、学生の頃より岡山大学麻酔科蘇生科によくして頂いていた縁もあり、こういうセミナーがあるんだが来ないかとお誘いをいただきました。
開催場所は千葉県と香川県からは非常に遠いところでしたが、せっかくお誘い頂いたことや初期研修先として非常に人気の高い亀田総合病院を一目見てみたいという気持ちから参加を決めました。
後から聞いたことですが、岡山大学麻酔科蘇生科は亀田総合病院と昔馴染みの縁があり、関連病院となったそうです。そうした経緯で当セミナーは両病院の共同開催という形にな っていました。

 セミナーには関東圏の方々を中心に医学生や若手医師の方々がたくさん参加されていました。講義のなかで岡山大学麻酔科蘇生科の紹介もあったのですが、その業務内容の幅広さや規模の大きさなどに驚いたという方が多くいらっしゃったのが印象的でした。

 講義そのものは麻酔をかける上で意識することを中心に教えてもらいました。長い一つの講義ではなく、短編集のように短めの講義をいくつかしていただいたので、飽きることなく聞けました。ハンズオンセミナーも過不足ない時間で手技体験ができました。

 そんな中でも1日目の夜の懇親会が一番参加して良かったと思える時間でした。普段かかわることのできない方々と食事をしなが ら、自分の大学・病院はこうしていると言い合ったり、それに対しすごいですねと感心し合ったりし、遠い地まで足を運んできた甲斐を感じることができました。

 昨年から始まったという当イベントですが、来年以降も開催されると聞いています。麻酔科に少しでも興味がある方なら非常に楽しめると思います。次回の開催への参加をご検討ください。遠方の人ほどおすすめです。