鴨川セミナー報告2

このたび、亀田総合病院主催の鴨川セミナーにコロナ禍後初の現地参加させていただきました。1泊2日という短い日程ではありましたが、今回のセミナーは現地の麻酔科の先生方との交流を通して亀田総合病院を身近に感じられるきっかけとなったので、簡単ではありますがレポートさせていただきます。
1日目、鴨川に到着した午後から病院施設見学に参加させていただきました。広大な太平洋をのぞめる病室をはじめとして、患者さんが入院生活を快適にすごすための配慮がいたるところに感じられる院内設備から、大学病院と同等な規模の手術室・ICUにも足を運ぶことができました。
院内ツアー後は、当院助教の伊賀先生から『これからの麻酔科医に必要な管理と経営の能力』というタイトルで、ひと・もの・お金の流れを意識した組織の運営について講義いただき、今までほとんど触れたことのなかった経営学の知識や考え方をわかりやすく解説していただきました。麻酔科と経営学という一見離れたカテゴリーについて上記3つを軸として生き生きと話される伊賀先生の講義に自然とひきこまれていて、経営学修士についても興味がわきました。続いての森松教授によるJournal clubでは、BMJから術中の超生理的酸素投与が与える臓器障害に関しての論文を紹介いただきました。まさに、現在当院でも『分離肺換気を要する肺切除における制限酸素療法の効果の検討』を実施中であり、関心があった話題であったことと、酸素の有毒性に関する研究は実際に世界で注目されている内容ということを知り、今後さらに大規模な研究に発展する可能性もあるとのことで、トピックとして気に留めておきたいと思いました。
1日目夜の懇親会では、海沿いでの豪華なバーベキューに招待していだき、たくさんの海鮮を堪能しながら麻酔科や研修医の先生たちと交流を深めることができました。当院岡山大学病院の後期研修を経験された先生ともお話することができ、とても楽しく記憶に残る夜を過ごすことができました。
2日目はハンズオンセミナーに参加させていただき、POCUSや気管挿管等の基本的手技から、超音波画像をARに投影した画像と自身の手元を同時に見つつ血管穿刺できるエコーガイド下血管穿刺シミュレーションの体験など幅広く経験させていただきました。学生や初期研修医の方々だけでなく看護師の方も参加されており、病院として医療人の教育に力をそそがれていることが一目瞭然でした。
今回のセミナーでは、亀田総合病院の先生方のあふれる熱意やチャレンジ精神に触れることができ、距離は離れていても同じ麻酔科医として通じる部分をもっていたいと思える、そんな鴨川の風を感じた2日間でした。
文責 坂手、森松