IARS参加報告

5/17-19に米国ワシントン州シアトルで開催された、International Anesthesia Research Society (IARS) 国際麻酔科学研究学会議2024に参加させていただきました。IARSはASAに次ぐ米国の大きな麻酔科学会で、世界各国から多くの麻酔科医が参加していました。 
 1日目はポスター発表があり、友實先生は“Intra-intestinal Rupture of Pseudoaneurysm after Robotic Pancreaticoduodenectomy”について、佐々木先生は“Myasthenia crisis after thymectomy in a patient with disseminated thymoma without neuromuscular blockade”について発表されました。座長や参加者からの質問だけでなく、アジア圏からの参加を歓迎され現地スタッフから取材依頼もありました。
 私も“Preoperative Intervention and Multidirectional Risk Assessment for Significant Impairment of Respiratory Function in Esophagectomy”というタイトルで、初めて海外学会で発表をさせて頂きました。自分の英語力や表現力不足で苦戦しましたが、当院の周術期管理PERIOでの術前介入の取り組みについて、少しですが伝えることができたのではないかと思います。

 IARSでは岡山大学麻酔科初代教授の小坂二見教授が設立されたKosaka awardsという賞があり、ファイナリストに選ばれた方々の発表を拝聴することが出来ました。術中輸血を予測するスコアの開発に関する研究や、ラットでのMicroRNA 10b-5p阻害が肺高血圧症の新たな治療戦略になるという研究など、臨床からゲノム分野までいずれも興味深い内容ばかりでした。
 今回の学会に参加したことで、三重大学の松崎孝先生やシアトルで家庭医をされている先生とお話をさせて頂く貴重な機会まで頂きました。たくさんの刺激と充実した時間を過ごすことができ、シアトルでの経験は忘れられないものとなりました。
 シアトルのなかなか沈まない太陽や、心地よいjazzの音楽とともに、今回肌で感じた感覚を忘れずに、今後の成長に繋げていきたいと思います。お忙しい中ご指導くださった先生方に、この場を借りて深く御礼申し上げます。

                         文責  松島みづ帆