岡山大学 麻酔・蘇生学教室多彩な専門領域 Field of Expertise
集中治療
豊富な症例、
充実した体制
当科では、複数のICUで、総計22床、年間約1800例の集中治療管理を行っています。症例のおよそ4分の3は術後患者ですが、肺移植、肝移植などの移植手術後患者、さらに食道外科、心臓血管外科などの高度侵襲手術術後患者など、大学病院ならではの症例が特徴的です。内科的にも幅広い症例があり、敗血症、血液疾患、神経疾患、心不全などが挙げられるほか、成人のみならず新生児を含めた小児症例も多く、あらゆる症例が入室します。
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Closed ICU
それぞれのICUに専従する医師を置き、いわゆるclosed ICUとして運営しています。専従医は2週間交代での週番制で一貫性のある治療方針のもと、主科主治医と情報の共有を行い、患者さんの全身管理はICU専従医が責任をもって行います。必要時には他科専門科にコンサルトし、各診療科と連携した診療を行います。また治療介入として、人工呼吸・腎代替療法・血漿交換・ECMOなどが24時間365日行える体制が整っています。
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海外経験豊富な
指導者教育体制、指導体制も充実しています。海外留学にて臨床現場をみた経験を持っている指導者が複数名いる稀有な施設の一つです。また、臨床のみならず多くの臨床研究を実践・指導しており、論文投稿や海外学会での発表を積極的に行っています。
集中治療
豊富な症例、
充実した体制
当科では、複数のICUで、総計22床、年間約1800例の集中治療管理を行っています。症例のおよそ4分の3は術後患者ですが、肺移植、肝移植などの移植手術後患者、さらに食道外科、心臓血管外科などの高度侵襲手術術後患者など、大学病院ならではの症例が特徴的です。内科的にも幅広い症例があり、敗血症、血液疾患、神経疾患、心不全などが挙げられるほか、成人のみならず新生児を含めた小児症例も多く、あらゆる症例が入室します。
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Closed ICU
それぞれのICUに専従する医師を置き、いわゆるclosed ICUとして運営しています。専従医は2週間交代での週番制で一貫性のある治療方針のもと、主科主治医と情報の共有を行い、患者さんの全身管理はICU専従医が責任をもって行います。必要時には他科専門科にコンサルトし、各診療科と連携した診療を行います。また治療介入として、人工呼吸・腎代替療法・血漿交換・ECMOなどが24時間365日行える体制が整っています。
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海外経験豊富な指導者
教育体制、指導体制も充実しています。海外留学にて臨床現場をみた経験を持っている指導者が複数名いる稀有な施設の一つです。また、臨床のみならず多くの臨床研究を実践・指導しており、論文投稿や海外学会での発表を積極的に行っています。
ペイン
幅広い
ペインクリニック診療
ペインクリニック外来は1968年に開設され、2002年にはペインセンター部門を設立して幅広いニーズに応える診療体制を構築しています。現在は月・水・金曜日の週3回の外来診療で年間約250例の新規患者と約4000例の再診患者を診ております。神経ブロックを含む処置は年間約2000件と2人に1人の割合で疼痛緩和の処置を施し、患者様の苦痛緩和に努めております。また病棟で入院中の患者への対応、がん性疼痛に対する緩和症例に対する対応など麻酔蘇生科として培ってきた様々な診療科との密な連携により、急性期・慢性期・緩和期と幅広い痛み診療を展開しております。
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高度な
神経ブロック治療外来では近年進化の著しい超音波ガイド下の各種神経ブロックを安全かつ確実に施行しております。透視下神経ブロックは手術室および外来透視室を利用し、神経根ブロック・高周波パルス治療・高周波熱凝固治療などを適応を見極めて施行しております。最近では、三叉神経痛に対するガッセル神経節ブロックや難治性疼痛に対する脊髄刺激治療に力を入れており、岡山県域の痛み治療の砦としての役割を果たせるように努めております。また緩和領域では脊髄くも膜下フェノール治療・硬膜外ポート植込みなどの症例にも対応しております。
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基礎から
臨床へ繋げる研究痛みについては世界中で研究されておりますが、いまだ不明なことが多く臨床的にも痛み診療に関するエビデンスは不足しています。当院では痛みの基礎研究チームと連携し、基礎から臨床に繋がる研究を模索しております。また臨床研究では多くの岡山大学関連病院との連携や大学病院として全国の医療施設との連携を通じて日本発のエビデンス構築に努めております。
ペイン
幅広い
ペインクリニック診療
ペインクリニック外来は1968年に開設され、2002年にはペインセンター部門を設立して幅広いニーズに応える診療体制を構築しています。現在は月・水・金曜日の週3回の外来診療で年間約250例の新規患者と約4000例の再診患者を診ております。神経ブロックを含む処置は年間約2000件と2人に1人の割合で疼痛緩和の処置を施し、患者様の苦痛緩和に努めております。また病棟で入院中の患者への対応、がん性疼痛に対する緩和症例に対する対応など麻酔蘇生科として培ってきた様々な診療科との密な連携により、急性期・慢性期・緩和期と幅広い痛み診療を展開しております。
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高度な
神経ブロック治療外来では近年進化の著しい超音波ガイド下の各種神経ブロックを安全かつ確実に施行しております。透視下神経ブロックは手術室および外来透視室を利用し、神経根ブロック・高周波パルス治療・高周波熱凝固治療などを適応を見極めて施行しております。最近では、三叉神経痛に対するガッセル神経節ブロックや難治性疼痛に対する脊髄刺激治療に力を入れており、岡山県域の痛み治療の砦としての役割を果たせるように努めております。また緩和領域では脊髄くも膜下フェノール治療・硬膜外ポート植込みなどの症例にも対応しております。
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基礎から
臨床へ繋げる研究痛みについては世界中で研究されておりますが、いまだ不明なことが多く臨床的にも痛み診療に関するエビデンスは不足しています。当院では痛みの基礎研究チームと連携し、基礎から臨床に繋がる研究を模索しております。また臨床研究では多くの岡山大学関連病院との連携や大学病院として全国の医療施設との連携を通じて日本発のエビデンス構築に努めております。
小児心臓
難易度の高い
小児心臓麻酔
小児心臓麻酔は、小児麻酔と心臓麻酔の両方の知識が要求されます。また、心房や心室の数が一つ、肺循環と体循環が並列、心内外の血液短絡など、先天性心疾患特有の知識も必要であり、比較的難易度の高い麻酔の一つと言えます。
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小児心臓手術件数
年間300例岡山大学病院には、日本各地より先天性心疾患のある患者が紹介され、小児心臓外科手術件数は年間300例に及んでいます。症例は様々で、左心低形成症候群に対するNorwood手術など新生児期の難易度の高い手術も積極的に行われており、小児心臓麻酔をトレーニングするための十分な症例を経験することが可能です。また、小児心臓外科の周術期管理を行うCCU(小児心臓専用ユニット)を、心臓外科医とともに麻酔科医が管理していることも、当院の特徴として挙げられます。手術室内だけでなく術前・術後管理に関わることで、麻酔科医としての技量を更に磨くことができます。
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臨床と研究を並行
幅広い実績当科の小児心臓麻酔チームは、臨床業務に加え、研究を並行して行い、学会発表だけにとどまらず、海外雑誌を含めて毎年論文を出版しております。また、チームには複数の大学院生も所属しており、研究への指導実績も十分にあります。先天性心疾患は個々の症例のバリエーションが大きく、「エビデンス」や「スタンダード」とは比較的距離を置く領域でもあることから、施設毎に方針が異なることが少なくありません。しかし、当科小児心臓麻酔チームの指導医達は国内外の複数施設での勤務歴があるだけでなく、研究にも従事しておりますので、最新かつ標準管理を知ることが可能です。
小児心臓
難易度の高い
小児心臓麻酔
小児心臓麻酔は、小児麻酔と心臓麻酔の両方の知識が要求されます。また、心房や心室の数が一つ、肺循環と体循環が並列、心内外の血液短絡など、先天性心疾患特有の知識も必要であり、比較的難易度の高い麻酔の一つと言えます。
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小児心臓手術件数
年間300例岡山大学病院には、日本各地より先天性心疾患のある患者が紹介され、小児心臓外科手術件数は年間300例に及んでいます。症例は様々で、左心低形成症候群に対するNorwood手術など新生児期の難易度の高い手術も積極的に行われており、小児心臓麻酔をトレーニングするための十分な症例を経験することが可能です。また、小児心臓外科の周術期管理を行うCCU(小児心臓専用ユニット)を、心臓外科医とともに麻酔科医が管理していることも、当院の特徴として挙げられます。手術室内だけでなく術前・術後管理に関わることで、麻酔科医としての技量を更に磨くことができます。
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臨床と研究を並行
幅広い実績当科の小児心臓麻酔チームは、臨床業務に加え、研究を並行して行い、学会発表だけにとどまらず、海外雑誌を含めて毎年論文を出版しております。また、チームには複数の大学院生も所属しており、研究への指導実績も十分にあります。先天性心疾患は個々の症例のバリエーションが大きく、「エビデンス」や「スタンダード」とは比較的距離を置く領域でもあることから、施設毎に方針が異なることが少なくありません。しかし、当科小児心臓麻酔チームの指導医達は国内外の複数施設での勤務歴があるだけでなく、研究にも従事しておりますので、最新かつ標準管理を知ることが可能です。
肺移植
日本における肺移植は、1998年に岡山大学病院での生体肺移植の成功からスタートしました。その肺移植立ち上げの時期より、麻酔科医は外科医と連携して、国内トップクラスの症例数と安定した術後成績に貢献してきました。この20年以上の歴史の中で培われた重症患者管理のプラクティスは、肺移植の少ない本邦では非常に貴重な財産として受け継がれています。
肺移植を通じて末期呼吸器疾患の患者管理だけではなく、重症患者全般に通用する知識と技術を習得することを目標にしています。
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集中治療管理の
洗練肺移植患者は末期の呼吸不全患者であるだけでなく、肺高血圧症から心不全も呈しており、低栄養状態や免疫抑制剤の影響で易感染性や腎機能障害などの問題も抱えたりしています。肺移植の周術期管理には人工呼吸器や体外循環を含む呼吸・循環管理はもちろん、栄養管理・感染対策・血液浄化などを必要とし、集中治療に必要な知識・技術を全て身につけることができます。
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最重症患者の
麻酔管理一般の施設では全身麻酔が困難と判断される患者を麻酔することにより、麻酔科医としての能力を飛躍的に向上させ、あらゆる重症患者に対して適切な術前評価と麻酔計画および麻酔管理を行えるようになります。
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人工呼吸器および
体外循環の
エキスパートとして肺移植の麻酔管理は常に体血管抵抗と肺血管抵抗を意識する必要があります。また術中管理は大きく人工心肺を使用するか否かに分けられますが、すべての症例において体外循環のスタンバイが必要であり、症例よってどのタイミングで何を使用するかを症例ごとに外科医および臨床工学技士と議論し、最適な戦略を立てています。
肺移植
日本における肺移植は、1998年に岡山大学病院での生体肺移植の成功からスタートしました。その肺移植立ち上げの時期より、麻酔科医は外科医と連携して、国内トップクラスの症例数と安定した術後成績に貢献してきました。この20年以上の歴史の中で培われた重症患者管理のプラクティスは、肺移植の少ない本邦では非常に貴重な財産として受け継がれています。
肺移植を通じて末期呼吸器疾患の患者管理だけではなく、重症患者全般に通用する知識と技術を習得することを目標にしています。
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集中治療管理の
洗練肺移植患者は末期の呼吸不全患者であるだけでなく、肺高血圧症から心不全も呈しており、低栄養状態や免疫抑制剤の影響で易感染性や腎機能障害などの問題も抱えたりしています。肺移植の周術期管理には人工呼吸器や体外循環を含む呼吸・循環管理はもちろん、栄養管理・感染対策・血液浄化などを必要とし、集中治療に必要な知識・技術を全て身につけることができます。
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最重症患者の
麻酔管理一般の施設では全身麻酔が困難と判断される患者を麻酔することにより、麻酔科医としての能力を飛躍的に向上させ、あらゆる重症患者に対して適切な術前評価と麻酔計画および麻酔管理を行えるようになります。
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人工呼吸器および
体外循環の
エキスパートとして肺移植の麻酔管理は常に体血管抵抗と肺血管抵抗を意識する必要があります。また術中管理は大きく人工心肺を使用するか否かに分けられますが、すべての症例において体外循環のスタンバイが必要であり、症例よってどのタイミングで何を使用するかを症例ごとに外科医および臨床工学技士と議論し、最適な戦略を立てています。
肝移植
当院での肝移植術は1996年に初の生体肝移植術、2010年に初の脳死肝移植が行われ、その後も症例数を蓄積してきています。現在では約500症例の経験を有し、これは中四国地方では一番の症例数であることはもちろん、全国でも有数の症例数を誇っています。さらに、1年生存率90.2%、5年生存率86.4%と重症例が増加する昨今においても全国平均を上回る成績を維持しております。近年はコロナ禍で手術制限や脳死ドナーの減少など肝移植術の減少もありましたが、徐々に症例数は回復してきており年間で20例程度の肝移植術を行なっております。
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その中で、麻酔科が関与・介入する部分は大きく、術中の麻酔管理はもちろんのこと、術前評価から術後の集中治療室での治療方針や管理方法なども移植外科の先生方と協議しながら進めていきます。肝移植術を受ける患者様は術前から重度肝不全を呈していることに加えて、肝腎症候群や肝肺症候群など多臓器障害をきたしていることが多いため麻酔管理には苦労することも多いですが、多くの先生方の協力を得ながら良好な術後経過を辿っています。
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麻酔管理に関しては当院での多くの症例の蓄積・経験を踏まえて麻酔管理や術後管理をマニュアル化しており、画一的な周術期管理を行いつつ、患者個々の病態に応じて日々の診療を行なっております。術中は移植外科の医師とコミュニケーションを取りながら管理方針を判断できる環境が整っており、ストレスなく管理を行なっています。術後管理もICU勤務医と相談しながら感染兆候や拒絶反応、免疫抑制剤や輸血の投与などに関して積極的に関わっており、麻酔科医の担う役割は非常に大きいと感じています。
当院は、このように非常に恵まれた環境で肝移植麻酔を行える数少ない施設の一つです。
肝移植
当院での肝移植術は1996年に初の生体肝移植術、2010年に初の脳死肝移植が行われ、その後も症例数を蓄積してきています。現在では約500症例の経験を有し、これは中四国地方では一番の症例数であることはもちろん、全国でも有数の症例数を誇っています。さらに、1年生存率90.2%、5年生存率86.4%と重症例が増加する昨今においても全国平均を上回る成績を維持しております。近年はコロナ禍で手術制限や脳死ドナーの減少など肝移植術の減少もありましたが、徐々に症例数は回復してきており年間で20例程度の肝移植術を行なっております。
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その中で、麻酔科が関与・介入する部分は大きく、術中の麻酔管理はもちろんのこと、術前評価から術後の集中治療室での治療方針や管理方法なども移植外科の先生方と協議しながら進めていきます。肝移植術を受ける患者様は術前から重度肝不全を呈していることに加えて、肝腎症候群や肝肺症候群など多臓器障害をきたしていることが多いため麻酔管理には苦労することも多いですが、多くの先生方の協力を得ながら良好な術後経過を辿っています。
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麻酔管理に関しては当院での多くの症例の蓄積・経験を踏まえて麻酔管理や術後管理をマニュアル化しており、画一的な周術期管理を行いつつ、患者個々の病態に応じて日々の診療を行なっております。術中は移植外科の医師とコミュニケーションを取りながら管理方針を判断できる環境が整っており、ストレスなく管理を行なっています。術後管理もICU勤務医と相談しながら感染兆候や拒絶反応、免疫抑制剤や輸血の投与などに関して積極的に関わっており、麻酔科医の担う役割は非常に大きいと感じています。
当院は、このように非常に恵まれた環境で肝移植麻酔を行える数少ない施設の一つです。