「全身麻酔中の呼気終末二酸化炭素分圧と術後せん妄発生率の関係、後ろ向き観察研究」へご協力のお願い
岡山大学病院
研究機関名
- 【岡山大学病院 麻酔科・蘇生科】
- 森松 博史
1.研究の概要
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研究の背景および目的
全身麻酔を受けた手術後の患者さんの中に幻覚や妄想、興奮、活動底の低下といった精神機能の障害がみられることがまれにあり、それをせん妄といいます。せん妄を発症した患者さんはその他の合併症発生の増加や入院日数の延長、死亡率の上昇をもたらす場合もあるとされています。手術後のせん妄の原因は、病気それ自体や体へのストレス、痛み、慣れない入院環境など多くあります。一方、体の中の二酸化炭素の量は呼吸により調節されており、二酸化炭素の量で頭への血液の量が変化することが知られています。頭への血液の量が安定しなければ、体へのストレスとなりせん妄の発生につながるおそれが心配されます。全身麻酔中は患者さんご自身で呼吸することができませんので麻酔科医が人工呼吸で二酸化炭素の量を調節しておりますが、この全身麻酔中の二酸化炭素の量とせん妄の発生との関係は現在のところはっきりしていません。
この研究では、過去に手術のために全身麻酔を受け、手術後に集中治療室に入室した患者さんの電子カルテのデータを見て全身麻酔中の吐く息の中に含まれる二酸化炭素の値と、手術後、集中治療室でせん妄が起こったかどうかを調べます。全身麻酔中の二酸化炭素の値と手術後のせん妄の発生の関係性を明らかにすることを目的とします。 -
研究対象者
2018年6月1日~2021年12月31日の間に岡山大学病院において全身麻酔を受け、手術後に集中治療室で治療を受けられた方約3000名を研究対象とします。
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研究期間
倫理委員会承認後~2024年12月31日
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研究方法
当院において手術のために全身麻酔を受け、手術後に集中治療室で治療を受けられた方で、研究者が診療情報をもとに全身麻酔中の吐く息に含まれる二酸化炭素のデータと、集中治療室でのせん妄の発生に関する分析を行い、体の中の二酸化炭素とせん妄の発生との関係について調べます。
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使用する情報
この研究に使用する情報として、カルテから以下の情報を抽出し使用させていただきますが、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し使用します。また、あなたの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。
・年齢、性別、身長、体重、診断名、既往歴、認知機能、内服薬、飲酒、
・全身麻酔中の麻酔方法や時間、人工呼吸の時間、手術の内容、手術か予定されたものか緊急かの区別、手術の時間、血圧や脈拍数、吸入する酸素の濃度、吐く息の二酸化炭素の量や血液検査結果、麻酔薬の濃度、眠りの深さを知る脳波、頭の中の酸素の値
・せん妄の発生 -
情報の保存、二次利用
この研究に使用した情報は、研究の中止または研究終了後5 年間、岡山大学病院麻酔科蘇生科で保存させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の情報は施錠可能な保管庫に保存します。なお、保存した情報を用いて新たな研究を行う際は、倫理委員会にて承認を得ます。
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研究計画書および個人情報の開示
あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。
また、この研究における個人情報の開示は、あなたが希望される場合にのみ行います。あなたの同意により、ご家族等(父母(親権者)、配偶者、成人の子又は兄弟姉妹等、後見人、保佐人)を交えてお知らせすることもできます。内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。
この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文で発表しますので、ご了解ください。
この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせください。また、あなたの情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方(ご家族の方等も拒否を申し出ることが出来る場合があります。詳細については下記の連絡先にお問い合わせください。)にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申し出ください。ただし、すでにデータが解析され、個人を特定できない場合は情報を削除できない場合がありますので、ご了承ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者さんに不利益が生じることはありません。
問い合わせ・連絡先
- 岡山大学病院 麻酔科蘇生科
- 成谷 俊輝
- 電話
- 086-235-7778(平日:9時00分~17時00分)