「新規敗血症診断マーカーの臨床的意義の検証」へご協力のお願い

下記の敗血症の研究にご参加いただいた方及びそのご家族の方へ
「敗血症の重症度評価を可能とする新規バイオマーカー
HRG (Histidine-Rich Glycoprotein):敗血症早期治療への応用」

研究機関名 岡山大学病院

研究機関長

前田 嘉信

研究機関名 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科

研究機関長

伊達 勲

研究責任者

【 岡山大学学術研究院医歯薬学域 麻酔・蘇生学分野】
教授
森松 博史

研究分担者

【 岡山大学病院 手術部】
助教
清水 一
【岡山大学病院 集中治療部】
助教
鈴木 聡
【岡山大学病院 新医療研究開発センター】
教授
吉田 道弘
【岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 麻酔・蘇生学分野】
助教
黒田 浩佐
【岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 麻酔・蘇生学分野】
大学院生 (医師)
川上 直哉
【岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 麻酔・蘇生学分野】
大学院生 (医師)
大岩 雅彦
【岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 薬理学分野】
教授
西堀 正洋
【岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 薬理学分野】
助教
逢坂 大樹
【岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 薬理学分野】
非常勤研究員
劉 克約

臨床研究コーディネータ

【岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 麻酔・蘇生学分野】
技術職員
清水 真理子
【岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 麻酔・蘇生学分野】
臨床研究 コーディネータ
安田 寛子

1.研究の概要

  1. 研究の背景および目的

    敗血症は、感染に対する生体防御反応の調節不全が原因で多臓器不全やショックを引き起こす病気です。その治療法の開発に向けて、世界的規模で活発な研究が続けられています。しかし、現在まで本質的に敗血症を治療できる薬物は見出されていません。また、敗血症患者の状態を反映する検査も見つかっておらず、治療中に患者さんの状態が良くなっているのか、あるいは急に容体が悪化するのかどうかが分からないことがあります。そのため、敗血症に対する新しい検査や治療薬の開発が必要とされています。
    我々のこれまでの研究により、敗血症になると血中に存在するタンパクの一つである高ヒスチジン糖タンパク質 (HRG)が減ることが分かりました。白血球の一種である好中球が暴走しないようにブレーキの役割を担っているHRGが減ることで、全身で炎症が引き起こされて多臓器不全につながる可能性が考えられています。また、HRGを測ることで敗血症の診断や重症度が分かるようになる可能性があります。今回、皆さんにご参加頂きたいと考えている研究では、今回新しく作ったHRGの検査方法と今までのHRGの検査方法を比べて、敗血症になったときにHRGを測ることで治療の役に立つかどうかを調べるために、患者さんから採血した血液を使います。

  2. 予想される医学上の貢献及び研究の意義

    採血した血液を調べてHRGを敗血症の新しい検査として使うことで、急に容体が悪化する敗血症患者を知ることが出来るようになり、素早く処置を行うことができるようになります。この研究で分かったことは、研究面での大きな発展とともに、今までなかった敗血症の重症度に合わせた新しい検査や新しい治療薬が創られる可能性があり、敗血症の検査法や治療法の確立という医学上の貢献がなされることが期待されます。

2.研究の方法

  1. 研究対象者

    この研究は、先行研究「敗血症の重症度評価を可能とする新規バイオマーカーHRG(Histidine-Rich Glycoprotein):敗血症早期治療への応用」で他の研究への試料・情報の二次利用に同意いただいた方について、採血して保管しておいた血液の一部を使います。
    (岡山大学病院あるいは共同研究機関にて敗血症と診断された患者さん 合計201人)なお、臓器障害を起こしている患者さんを調べるためには、意識状態の悪い方も含めて臓器障害を起こしている全ての患者さんのご協力が必要となります。ご協力をお願い致します。

  2. 研究期間

    この研究は、臨床研究審査専門委員会承認後から2023年3月31日の期間で実施されます。

  3. 研究方法

    この研究では、「敗血症の重症度評価を可能とする新規バイオマーカーHRG (Histidine-Rich Glycoprotein):敗血症早期治療への応用」で採血した血液(合計4回、最大約40mL)の余りや患者さんのカルテから抽出されている情報を使います。
    新しく作った検査方法で患者さんから採血した血液のHRGを測って、今までのHRGの検査方法やその他の検査と比べることで、敗血症になったときにHRGを測ることで治療の役に立つかどうかを調べることができます。この研究では、保存している血液の一部を塩野義製薬株式会社に送ってHRGを測り、その結果を岡山大学で今までの検査方法やその他の検査と比べます。
    この研究は、医師が研究を続けることが難しいと判断した場合には、医師の判断により中止することがあります。

  4. 使用する試料

    この研究に使用する試料として、すでに保存されている血液を使います。試料からは氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除して使用します。また、あなたの情報が漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。

  5. 使用する情報

    先行研究で取得した情報:病歴、手術記録、臨床データ(血圧・脈拍数・呼吸数・尿量・体温・Glasgow Coma Scale)、APACHE IIスコア・SOFAスコア、血液生化学検査(白血球・赤血球・ヘモグロビン・ヘマトクリット・血小板・ナトリウム・カリウム・クレアチニン・ビリルビン・CRP)、尿検査(白血球数・細胞数)、感染症検査(細菌、ウイルス、真菌)、感染症マーカー(プロカルシトニン・プレセプシン、HRG)、β-Dグルカン、血液ガス分析(pH・PaO2・PaCO2・BE・HCO3・ナトリウム・カリウム・ヘマトクリット・ヘモグロビン・乳酸)、画像診断(X線・CT・MRI)

  6. 外部への試料・情報の提供

    この研究に使用する血液は、以下の外部委託機関に送ってHRGを測ります。提供の際、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除して、提供させていただきます。

    塩野義製薬株式会社 バイオマーカー研究開発部
              事業推進ユニット長 五十嵐 雅代
    住所:〒561-0825 大阪府豊中市二葉町3丁目1番1号
    電話番号:06-6331-7422

  7. 試料・情報の保存、二次利用

    この研究に使用した試料・情報は、研究の中止または研究終了後10年間、施錠可能な場所(岡山大学大学院 麻酔・蘇生学教室および薬理学教室)保存させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の試料・情報は施錠可能な保管庫に保存します。なお、保存した試料・情報を用いて新たな研究を行う際は、倫理委員会にて承認を得ます。
    塩野義製薬株式会社に送った血液の一部は、HRGを測った後に岡山大学に返送して岡山大学で保管し、研究中止または研究終了後10年間が経過した後に廃棄します。

  8. 研究計画書および個人情報の開示

    あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。
    この研究では、どの検体がどの患者さんものであるのか分からない状態になるため、結果を患者さん個人に開示することができません。
    内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。
    この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形で、学会や論文で発表することがありますので、ご了解ください。

    この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。岡山大学で先行研究「敗血症の重症度評価を可能とする新規バイオマーカーHRG (Histidine-Rich Glycoprotein):敗血症早期治療への応用」に参加された患者さんについては、あなたの試料・情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申し出ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者の皆様に不利益が生じることはありません。
    岡山大学以外の先行研究の共同研究機関で参加された患者さんの試料・情報については既に匿名化されており個人が特定できないため、拒否の申し出に応じることができませんのでご了承ください。

問い合わせ・連絡先

岡山大学学術研究院医歯薬学域 麻酔・蘇生学分野
教授
森松 博史
電話
086-235-7327(平日:9時~17時)
Email
morima-h@cc.okayama-u.ac.jp
住所
〒700-8558 岡山市北区鹿田町二丁目5番1号